「職員室の心の病」

著者:大原健士郎

 

著者の大原先生は2010年に79歳で亡くなった。惜しい人を亡くしたものである。

 

何しろ名前がいい。健士郎ですよ、ケンシロウ。

診察室に入った途端に、「お前はもう病んでいる」とか言ったりして。

 

…ま、それはないにしても、大原先生の本は気の弱い人にとっては結構辛口。

 

 

  おれの子なら

 

  這い上がってこい

 

 

  White Fang

「神経症は…(中略)…要するに性格が素直でないのである。」 とか、

「この種のうつ病は…頭の固い人が多い。」 とか、

 

本質をビシッと言い過ぎているくらいの書きっぷりで何とも痛快だが毒舌ではない。

 

「大人たちは、自殺をする子はかわいそうな子で、シンナーを吸う子は憎ったらしい子だと決めてかかっている。どちらも、社会からはみ出したかわいそうな子なのである。」

 

というように、何でもかんでもぶった斬っているわけではない。どの文章にも大原先生の愛情と人間味が感じられる。

 

 

  友が打つのは

 

  善意による

 

 

  ー 箴言27:6

       改訂英訳聖書 ー

善意で打たれたとき、立ちあがれなくなるほど打たれることはない。

羊飼いが羊を正しい方向へ導くために杖で羊をそっとつつくのと同じだ。

 

詩編23:4

あなたのむち棒と杖は,わたしを慰めてくれるものなのです。

 

大原先生が「善意で打つ」なら、ときどき先生の本を読んで打たれてみるのもいい。

正しい方向に気持ち良く進めるようになるはずだ。  

 

そして、ケンシロウはこう言う。

 

「安心しろ、秘孔は外してある。」

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